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40年間で3,000万円以上貯めたことになる年金!?
サラリーマンの方なら、一度や二度は給与明細を見たことがあるでしょう。
どんな印象を受けましたか?
私は就職して初めて給与明細を手にしたとき、社会保険料の大きさに驚きました。
私が就職したのは1981年ですから、
厚生年金も健康保険も保険料率は今よりずっと低かったのです。
それでも、所得税よりはずっと高かったのですが。
2017年1月現在、厚生年金の保険料率は181.82 / 1000で、
会社が半分負担しているので、社員自身が支払う率は90.91 / 1000
となっています。厚生年金の保険料率は、
今年(2017年)の9月に少し引き上げられて193/1000となり、
その後は変わっていません。個人負担は91.5 / 1000となります。
いずれにしても、月給の9%以上が給与から差し引かれます。
月給30万円の人の場合、2万7千円強となり、
会社の負担を含めると5万5千円程度になります。
保険料はボーナスからも引かれるので、
年収450万円のサラリーマンは年間約40万円、
会社の負担を含めると80万円になります。
これが10年続けば800万円、20年で1,600万円、40年で
3,200万円になります。
厚生年金の保険料相当額を払わずに貯金ができれば、
会社員として平均年収約450万円のサラリーマンで、
定年までに約3,000万円の貯金ができていることになる。
その場合、「年金なんていらない」と思ってしまいます。
しかし、本当にそれを検証したいのであれば、
年金制度を知らなければなりません。
確かに保険料負担は大きいですが、
一生涯で受け取れる年金の総額はどのくらいなのでしょうか。
会社の負担を自分の負担と考えることは正当なことなのでしょうか。
また、先ほどの例え話は、遺族年金や障害年金などを含めた、
いわゆる「老齢年金」です。老齢年金だけの場合と比べると、
年金の損益計算書では正確な答えは出ません。
いずれにしても、年金の負担は重いが、その内容は正しく把握されていない。
負担が重くなればなるほど、年金以外の独自の老後対策が難しくなるので、
結局、老後は年金に頼る部分が大きいのです。
でも、年金を知らなくても、興味がなくても、大丈夫ですか?年金は、
若いときには負担、老後には恩恵という形で、人生に大きく影響する制度です。
若い世代をはじめ、多くの方に関心を持っていただきたいと思っています。
このコーナーでは、年金への不安や不満、タイムリーな話題など、
一般の方にも関心の高いテーマを取り上げながら、
年金への理解を深めていただくことを目指しています。
次回からもどうぞお楽しみに。