年金制度の「基礎知識定額年金」と「報酬比例年金」の意味

年金制度の「基礎知識定額年金」と「報酬比例年金」の意味

前回は、「二階建て年金」をキーワードに、

年金・給付金の適用について解説しました。簡単にまとめると、

日本の年金制度では、年金受給者はすべて国民年金受給者であり、

3つのタイプがあります。

“第1号被保険者”、”第2号被保険者”、”第3号被保険者” が

分類されています。

第2号被保険者」は厚生年金に加入していて、

国民年金と厚生年金に同時に加入しています。受給できる年金は、

厚生年金の加入に対応した「報酬比例年金」の「厚生年金」と、

国民年金の加入に対応した「定額年金」の「基礎年金」の

2階建てとなっています。

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そして、「第1号被保険者」(自営業者など)と

「第3号被保険者」(第2号被扶養配偶者)は国民年金のみに加入し、

受給できる年金は基礎年金となります。

あくまでも一階建ての年金である。

では、「定額年金」と「報酬比例年金」とはどういう意味でしょうか?

“定額年金 “の意味

まず、”定額年金 “である「基礎年金」から説明します。

2017年(平成29年)の「基礎年金」の金額は779,300円です。

ただし、”定額年金 “といっても、誰もが779,300円の基礎年金を受け取れるわけではありません。

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一般的には779,300円が「満額」の基礎年金額と言われています。

国民年金の加入期間(加入が義務づけられている期間)は

20歳から60歳までの40年間で、

「満額」とは40年=480カ月のときの金額を意味します。

もちろん、この480ヶ月というのは、保険料を支払った月のことです。

保険料の滞納があると、基礎年金を満額受け取ることができません。

ただし、第2号被保険者は給与から天引きされ、

国民年金は厚生年金保険料に含まれており、

第3号被保険者は保険料を支払う義務はありません。

第1号被保険者のみとなります。

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1991年(平成3年)までは、「学生」は20歳以上であっても

国民年金の加入義務が免除されていました。

したがって、40代後半以上の人は、会社に就職してから初めて

年金に加入することになり、大学を卒業した人であれば、

22〜23歳から加入することになります。60歳になっても、

この人たちは国民年金に加入してから40年も経っていないので、

まだ基礎年金を満額受け取ることができないのだ。

要するに、「定額年金」の「定額」とは、

加入期間の「定額」ということです。
年金加入期間の最小単位は「月」なので、

満額の779,300円を40年=480月で割ると、

1ヶ月分は約1,630円になります。

つまり、国民年金に1ヶ月間加入すると、基礎年金額は約1,630円となり、

これを480ヶ月間積み立てて、

ようやく基礎年金の満額を受け取る権利を得ることができるのです。

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年金制度の用語ではありませんが、

私はこれを年金の「月額単価」と呼んでいます。そう考えると、

「定額年金」の「定額」の意味は、

「毎月の単価が定額」ということになります。月額単価」が

固定額であれば、基礎年金の年金額を決める要素は

「加入期間(月数)」だけになります。

ただし、この加入期間は保険料の納付を前提としており、

第1号被保険者には、滞納者や低所得者のための

「保険料免除制度」があります。

この「保険料免除制度」については次回詳しく説明しますが、

「保険料免除制度」が適用される月は1ヶ月としてカウントされないため、少し複雑になります。

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“報酬比例型年金 “の意味

同様に、「報酬比例年金」の「報酬比例」も

「月の単価が報酬比例」という意味です。厚生年金」は

報酬比例年金なので、基本的には、

厚生年金に加入していた期間の平均報酬が高いほど、

年金額も高くなります。厚生年金の加入期間が短ければ、

年金額はあまり高くなりません。

厚生年金の年金額の計算方法は、

基本的に「加入期間の平均報酬額×乗率×加入月数」です。

この計算式では、「加入期間の平均報酬×乗率」が

厚生年金の「月額単価」となります。

倍率は、2002年(平成14年)までは

「7.125 / 1000」、2003年(平成15年)以降は「5.481 / 1000」となります。

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2003年(平成15年)からは保険料が賞与からも保険料を取り、

その代わり賞与も年金計算上の

「報酬」に含めることとなった(「総報酬制」という)。

2003(平成15)年度を境に保険料徴収と年金額計算の「

報酬」のベースが賞与分増えたので、

保険料率と年金計算上の乗率が下がったのである。

そのため、厚生年金の年金額計算は2003(平成15)年度前と

以後の期間を別々に算出し、それを合計することになっている。

さらに、時代的な賃金水準の変動を補正するために、

実際の給与や賞与に「再評価率」を掛けて「加入期間の平均報酬」を

算出するため、厚生年金の年金額の計算は相当複雑になる。

ここでは、「報酬比例年金」である「厚生年金」の年金額を決める要素は、

「報酬」と「加入期間(月数)」の2つの要素があるということを認識してほしい。

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